令和4年 予備試験  刑事実務基礎  再現

設問1(1)

1 Bは、3月1日の夜に「一緒に・・金を奪わないか。』とAから誘われたと供述しており、これは証拠⑪により、Bの携帯電話に同日午後8時32分にAからの着信の履歴があることから、この供述の信用性が認められる。

また、Bは、犯行にナイフを用いており、そのナイフをAから受け取る際に、「親父のだから、落としたりするなよ」と言われた旨を供述している。この点について、A方からサバイバルナイフが差し押さえられており(証拠⑫)、そのナイフから、Bの指紋が採取されている。更に、A父は、そのナイフについて、「私のものに違いない」と供述している。このことから、このBの供述の信用性が認められる。

更に、Bは、犯行後にコンビニに寄った旨も供述しており、この供述と一致するような状況が、証拠⑦の防犯カメラ画像から確認することができる。そのため、この部分のBの供述の信用性が認められる。

検察官は、以上の様な思考過程を経て、本件被告事件に関与したのはAであるとする供述部分の信用性が認められると判断した。

設問1(2)

共謀共同正犯は①共謀、②①に基づく実行行為、③正犯意思が認められれば、成立する。

Aは、3月1日に、Bに電話で、「金を奪わないか」といい、これに対してBは承諾している為、①共謀が認められる。

そして、BはAと事前に話し合った計画通りに犯行を実行していることから、上記の共謀に戻づく実行行為が行われた事実も認められる(②)。

更に、Aは自らBに対して電話をかけていることから、正犯意思も認められる(③)。

検察官は、以上のような思考過程を経て、Aに共謀共同正犯が成立すると判断した。

設問4(1)

Bの「当日私が着ていた作業着やロープもAが用意したものだ。」旨の証言は、犯行に用いたものをだれが用意したのかという点で、その内容の真実性が問題となることから、320条により証拠能力が否定されるのが原則である(刑事訴訟法第320条)。

しかし、自己矛盾供述であれば、「供述の証明力を争うために」この証拠能力が認められる(刑訴法328条)。

Bは、警察官の前では、作業着やロープは自分で用意した旨の発言をしておきながら、証人尋問では、「作業着やロープもAが用意したものだ」と証言しており、これは自己矛盾供述にあたる。

そして、Aの弁護士としては、Bが犯行に用いたものを用意した場合には、犯情の点においてAに有利となる為、このような思考過程を経て、証拠能力が認められるとした。

また、「やむを得ない事由」については、証人尋問において、このような自己矛盾供述をするとは予想ができなかった為、「やむをえない事由」があると考えた。

設問4(2)

検察官が「同意」という証拠意見述べてしまうと、裁判所の審査を経ることなく、証拠⑩に証拠能力が認められてしまうことになる(刑訴法326条)。そのため、検察官が「異議なし」との証拠意見を述べた。

設問2

公判前整理手続きは争点を明確にすることが目的であるところ、検察官の提出した証拠のみでは争点が不明瞭となることから追加の証明予定事実記載書の提出を求めた。

設問3

エの時点では、逃亡や罪証隠滅のおそれがその時点で生じていなかったため、このような異なる対応をとった。

以上

 

所感

設問2.3をパッと見てわからなかったために後回しにしたが、設問4の書き方に迷いまくり、結果全てがボロボロという最悪なことになった。

民事も良くなかったし、Fあるかもなー。