令和2年 司法試験予備試験 論文 再現答案 行政法

設問1
1、本件条項に法的拘束力が認められるか否かは、当事者間で、法的拘束力を及ぼす意思で締結がなされたか、その条項の文言、本件条項の根拠となる法令等の有無などの観点から決するべきである。
2、本件条項は、第2処分場の設置について、「今回の開発区域内の土地及び規模に限るものとし、今後一切の例外を認めない」というものであるから、A市の立場からすれば、これに法的拘束力を付与した趣旨であるものとも思える。
 しかし、本件条項は、法や条例に根拠を有するものでもなく、また、法第33条第1項及び条例の定める基準には本件条項に関係するものは存在しない。また、本件条項は、周辺住民の強力な反対を考慮して、締結したものであるが、これは条例8条の事前周知に配慮したものと考えられる。しかし、条例10条で指導、勧告が可能なのは、4条の事前協議をせず、または虚偽の内容で協議をおこなったものであるから、この規定から事前協議においては、この事前周知が必須のものではないと考えられる。以上のことから、本件条項の法的性質は単なる事実上の合意にすぎず、法的拘束力は認められないものと解する。
設問2 
1、まず、「処分」(行政事件訴訟法(以下、行訴法)3条2項)とは、公権力の主体たる国または地方公共団体が行う行為のうち、直接、国民の権利を制限し、義務を課し、またはその範囲を確定することが法律上認められていることを指す
そして、この「処分」については、従来想定されていたものにとどまらない。そのため、国民の実効的権利救済、紛争の成熟性等の観点も踏まえて判断するべきである。
2、本件通知は、A市長が出したものであるから、公権力の主体たる・・・地方公共団体が行う行為といえる。そして、Bとしては、本件通知があることにより、開発行為を行う権利が制限されているから、本件通知は「処分」に該当するものと主張することが考えられる。
これに対して、A市としては、本件条項に法的拘束力がないため、本件通知にも法的拘束力は認められず、Bの法的権利を制限していることにはならないと反論することが想定される。
これについて、設問1で述べた通り、事前周知は開発許可申請をなすうえで必須のものではなく、本件条項に従わないからといって不許可事由に該当するものでもない。また、Bとしては、本件通知に取消訴訟を提起できなくても、開発許可申請をして、不許可処分がなされた場合に、それに対して、その処分に対して取り消し訴訟や、義務付け訴訟(行訴法3条2項、3条6項)を提起することにより、実効的な権利救済が可能である。
以上により、Bの主張は認められず、本件通知は、「処分」には該当しない。
以上

感想
もうちょい書いてた気がするけど、もう忘れたからこれでいいやって感じ。
これ書くまではもしかしたら合格あるかもとか思ってたけど、これ書きながら不合格を確信した。