令和2年 司法試験予備試験 論文 再現答案  民事実務基礎

設問1(1) 

所有権に基づく妨害排除請求権としての抵当権抹消登記請求権

設問1(2) 

被告は、甲土地について別紙登記目録(略)記載の抵当権設定登記の抹消登記手続きをせよ。

設問1(3)

 Xは甲土地の所有権名義をまだ有していなかったため。

設問1(4)

①令和2年5月1日、売買代金500万円で、甲土地をXに売った

Y名義の抵当権設定登記が存在する。

設問2(1)

①抗弁として主張すべきである。

②抗弁として主張するためには、(ⅰ)令和2年8月1日、YはBに対して、600万円を貸した。(ⅱ)YとBは(ⅰ)の債権を被担保債権として、抵当権設定契約を締結した。(ⅲ)甲土地についてY名義の抵当権設定登記が存在する。(ⅳ)(ⅱ)の契約の当時、Bは甲土地を所有していたとの事実の主張が必要であり、抵当権設定登記の正当な保持権限を有する旨の抗弁をするべきである。

設問2(2)(ⅰ)

①Bが甲土地の所有名義人となっていた。

②Bが甲土地の所有者であると信じていた。

設問2(2)(ⅱ)

この抗弁を主張するためには、被担保債権の発生原因事実を主張する必要があったから。

設問3(1)

(1)Bは令和4年12月1日に100万円を弁済しており、これは時効の承認(152条1項)に当たり時効は完成していない。

設問3(2)

消滅時効の抗弁の起算点は弁済期の令和2年12月1日であるところ、令和7年12月25日の200万円を弁済した事実は、消滅時効完成後の事実であり、上記の承認とはならないから。

設問4

1 本件預金通帳は、Xの口座からAの口座に宛てて500万円が送金されたものであり、通常、売買契約の当事者が自己の口座から送金するのはあり得ることであり、これからXがAと甲土地につい売買契約を締結したことが認定できる。

2 本件領収書は、甲土地の、固定資産税の支払いがあったことを示すものであり、これはBが名宛人になっている。これは、建物建築のために地元の金融機関からの融資が円滑に進むように便宜のために、建物の所有名義人をBにしたことから、Bが名宛人となっているに過ぎない。そのため、この領収書があることにより、Bが建物所有者であるということは認定できない。

また、Bは甲土地の固定資産税を支払っていると主張しているが、税金関係は妻に任せており、詳しくはわかりませんとの主張もしていることから、この固定資産税の支払いの事実は信用することのできるものではない。

3 さらに、BはAに甲土地の売買代金を立て替えてもらったとの主張もしている。

しかし、いくら兄弟であるといっても500万円という高額な金額を立て替えるのには契約書等を用意するはずである。しかし、Bはそのような証拠も提出することもしていない。

そのため、この主張は信頼することのできるものではない。

以上により、XがAから甲土地を買った事実が認められる。

以上


感想  

民事執行法はノーマークだった為、面食らった。

他の民事系科目よりはできたかも。でも甘めに評価してもDもいかないんじゃないかな。